2010-01-01から1年間の記事一覧

叫びと祈り

新人でありながら年末のランキングに全て入賞しているのを見て興味を惹かれて読んでみました。 期待が大きすぎたのもあるんでしょうが、個人的にはそこまですごいのだろうかと思ってしまいました。 確かに一遍ごとは短編でありながら謎の真相探しだけでなく…

退出ゲーム

初めて読んだ作家さんですが、米澤穂信さんの古典部シリーズとどうしても比較してしまうような内容になっています。 正直、氷菓を最初に読んだときも序盤は少し首を傾げつつ、最後の氷菓を巡る真相にはあっといわされた記憶がありますが、同じような青春ミス…

折れた竜骨

米澤穂信さんがいつもの作風とは違ってファンタジーに挑戦した意欲作です。 中世の魔法と剣の世界に生きる人たちの中で国王殺しが起こり、その犯人は誰かというのが大筋ですが、魔法が絡んでくるだけあって真犯人は分かっているもののその真犯人に魔法で操ら…

攪乱者

いつもは石持さんの作品は突っ込みどころを探しながら読むのが常ですが、この作品はそう言った部分が少なく純粋にミステリーとして楽しめた気がします。 無血テロを信条とするテロ組織の構成員に与えられるスーパーにレモンを置く、公園の砂場にアライグマと…

クドリャフカの順番

古典部シリーズの一つとして前二作の設定も活かした文化祭当日の話になっています。 文化系の部活動が活発で文化祭も盛り上がるという設定が活かされていますし、氷菓を読んでカンヤ祭の真の意味を知っていると尚更こみ上げてくる物があります。 米澤さん本…

新型マーチ

仕事でレンタカーを借りる機会があり借りてみたら新型マーチでした。 信号待ちの間にはエンジンを止めるマツダの後追いのような機能を付けていますが、確かに燃費は良いです。高速を50km程度含む260km走って20km/lでしたので。 ただ正直車自体が安っぽい。 …

カムカムミニキーナ

先週の土曜日になりますが、八嶋智人さんが所属している劇団で今年が20周年ということで3900円で見られるため行ってみました。 良くも悪くも小劇団テイスト満載な内容だと思います。 小ネタや巧みな言葉遣いを積み重ねて笑いを取りつつも最後にはストーリー…

遠まわりする雛

順番で言うと先日書いた愚者のエンドロールの後にクドリャフカの順番が来ますが、読み終えた後の読後感はこちらの方が良かったので、先に書きたくなりました。 主人公たちの一年のエピソードを抜粋しながら追っていく構成になっており、正直最初の方の話はい…

愚者のエンドロール

犬はどこだにすっかりやられてしまい、シリーズ化されている古典部を読み進めようとシリーズ2作目を読んでみましたが、確かに上手くまとまっています。 制作途中で脚本家に続きを書けない事情が出来、暗礁に乗り上げてしまった映画の脚本の続きを製作する手…

リミット

超映画批評で98点だったので見に行きましたが個人的にはうーんと言う感じです。 確かに気づいたら生き埋めにされており、電波状況も悪く電池も残り少ない携帯のみを使用して脱出を試みる設定は悪くないと思いますし、それにまつわるトラブルや背景、カメラワ…

八月の魔法使い

Gainerで連載されていたそうで確かに社内で起きるある意味クローズドサークルの作品だと思います。 ただ同じくGainerに連載されていた東野さんの青春のデスマスク(改題後、ゲームの名は誘拐)に比べると堂々巡りの展開が多く物語が先に進まない印象を受けま…

トリック・シアター

前作プリズン・トリックを読んだときにこれはゲド戦記と同じように見る側に突っ込ませながら読ませる新しい試みの作品だなと思ったものですが、今作もそのコンセプトは引き継がれているようで読んでていて飽きることはありません。 一読しただけでも疑問符が…

月の恋人

上手くまとまっており、よくありそうなドラマの原作にはなっていますが、道尾さんである必要はあったのかと疑問に思ってしまうような内容になっていると思います。 よく言えば道尾さんの新境地と言えるのでしょうが、いつもの道尾色を期待して読むと肩透かし…

アップリカの抱っこひも

プレスブログからの情報でアップリカの抱っこひもという商品があることを知りました。 自分自身、結婚もしておらず子供もいないため、実際には使ったことがありませんが、最近姉が出産をしたため、この商品の有用性は分かるつもりでいます。 将来、自分にも…

天地明察

江戸時代に今まで使われていた暦にずれがあることを知り、正しい暦を幕府や朝廷に認めさせるために奮闘した一人の人物の話ですが、感動します。 この話の不思議なところは普通の話であれば苦労して何か一つのものをやり遂げたときにぐっと来るものですが、こ…

JINS

栗山千明やオダギリジョーが10gのフレームと言うことでCMをやっていますが、それ以外にもチタンフレームが5990円から用意してあったりと良さそうなお店だったので行ってみました。 フレームをその場で選び、レンズの在庫さえあればその場で30分ほどで作って…

春期限定いちごタルト事件

小市民シリーズと呼ばれる作品の一作目です。 米澤さんが得意とする得意とするいわゆる日常の謎を取り扱っており、器を暖めずに入れられたホットココアや似通った二枚の絵を保管しておくように言われた理由、目印も何もない場所へ決まった時刻へ急ぐ高校生な…

この国。

日本に非常に似通った架空の一党独裁国家を舞台としてそこで反政府舞台と戦う治安警察隊の一人が主人公となっている作品です。 一党独裁体制でありながら、逆に言えば一党独裁だからこそ国家繁栄を目指し、治安の維持を図り、言論の自由を保証し、低い失業率…

和倉温泉

初めて和倉温泉という場所に行きました。 もっとも仕事での中継地としての利用だけなので、普通のビジネスホテルに泊まって次の目的地へ行くだけでしたが、景色を見るだけでも良さそうな土地だなと言う感じはしました。 何年もの間業界人が選ぶ宿1位の座をキ…

氷菓

米澤穂信さんのデビュー作で後に続く古典部シリーズの第一作ともなる話です。 氷菓自体を巡る謎に踏み入っていくラストへの持って行き方はデビュー作でありながら現在の片鱗が見えますが、それ以外の日常の謎に関しては解決の仕方が少し突然な感じがしました…

歯医者

数年ぶりに歯医者に行き治療をしてもらいましたが驚いたのが治療中ほとんど痛みを感じなかったこと。 最初の麻酔をかけるための注射は痛かったですが、それも事前に歯茎にジェル上の麻酔薬を塗ってから行うため、痛いと言っても少し痛いだけで治療中は歯を削…

くちづけ

宅間さんと言えばタイガー&ドラゴンの印象しかなかったのですが、東京セレソンデラックスの評判は聞いていたので先日の名古屋公演を見に行ってきましたが、最初から最後まで圧倒されました。 知的障害者の施設を扱った話ですが、それを取り巻く理解を持って…

ワイルド・ソウル

垣根涼介さんは以前、借金取りの王子を読んだときにはいまいち合わないなという感じだったのですが、この作品は素晴らしいの一言に尽きます。 ブラジルへの移民に対する待遇の偽証問題はニュースで見てちらっと知っている程度でしたが、作者の2ヶ月にわたる…

節約の王道

題名に惹かれて借りてみたのですが、正直借りて良かったと思う内容でした。 良い意味ではなく買っていたら金返せと言いたくなるようなと言う意味での借りて良かったですが。 不要な飲み会は行かない、電車より車の方が移動コストは安い、出来合いの調味料を…

牛鍋丼

実際に発売後、店舗も以前より混んでいる感じはあり、客単価は下がったのでしょうが、売上自体が下がるよりはよいことだと思われるので株主の一人としてはありがたい限りです。 ただ個人的には未だに牛丼を食べており、一度牛鍋丼も食べたことはありますが、…

ワールドプロレスリング G1 クライマックス3D

8月に行われたG1 クライマックスが映画館にて3Dで上映されると言うことで家からは一番近い大高のワーナーマイカルシネマズに行ってきました。 いつもはテレビでしか見ていないプロレスを3Dで見られるというのは新鮮な驚きで楽しく見ることができました。 通…

天一の日

10月1日はその読み方から天一の日だそうでスープを飲むと言うより食べるという表現で有名なラーメン店、天下一品ではラーメン1杯ごとに無料券1枚がもらえます。 この日の存在は知っていたもののなかなか生活圏内に天一がなく利用機会はなかったのですが、職…

グラスホッパー

井坂作品に見られる明るさはほとんど見られず闇の部分を描いた作品だと思います。謎解き的な部分や軽い裏切りはありますが、それよりも主人公の鈴木や鯨の内面を描いた作品なんだろうなと読後には印象を持ちます。 ラストの一行が少しネット上で話題になって…

カッコウの卵は誰のもの

新参者と一緒に借りて読んだ分、粗が目立つというか何というか... 文はいつもの東野作品らしく読み進みやすいですし、興味を持って読めますが消化不良感がありありと。 クロカンの彼の存在価値は何だったんだろうと読み終えた後でも未だに思ってしまいま…

新参者

昨年度のこのミス1位の作品でドラマ化もされていますので今更言及する必要もないと思いますが、面白いというかすごい作品だと思います。 短編を積み重ねて一つの長編とする手法を取っていますが、短編だけ読んでも日常の謎を取り扱った傑作ですし、最後に一…