天地明察

江戸時代に今まで使われていた暦にずれがあることを知り、正しい暦を幕府や朝廷に認めさせるために奮闘した一人の人物の話ですが、感動します。
この話の不思議なところは普通の話であれば苦労して何か一つのものをやり遂げたときにぐっと来るものですが、この方は失敗や挫折が多く、回り道を非常にします。
ただその度に自分の中にある芯の強さや周りからの信頼に助けられ、次なる挑戦への決意をみなぎらせるのですが、その次なる挑戦への決意をする瞬間が個人的には一番ぐっと来ました。電車の中だったので耐えましたが、家で読んでいたら泣いていただろうなと思います。
一人の人間が失敗をしても立ち直って次へ挑む姿、そしてそれを支える人の思いというのは何と美しいものだろうと実感させてくれる、さすが本屋大賞一位になったことが納得できる作品だと思います。