攪乱者

いつもは石持さんの作品は突っ込みどころを探しながら読むのが常ですが、この作品はそう言った部分が少なく純粋にミステリーとして楽しめた気がします。
無血テロを信条とするテロ組織の構成員に与えられるスーパーにレモンを置く、公園の砂場にアライグマと砂に似た無毒な物質を置く、新聞紙がたくさん詰まったデパートの紙袋を電車内に置いてくる等一見奇妙な指令の数々。これらの裏にある真相は論理の飛躍もある気はしますが、筋はそれなりに通っており、唸らされます。
少し視点を変えた日常の謎ものとして続編も作ろうと思えば作れそうな気もするので、今後もこう言った作品を出してもらいたいものです。