ガーディアン

石持浅海さんという作家さんの作品で主人公が幼い頃に亡くなった父親があらゆる事故や災害から主人公を守る守護霊として取り憑いていると言う設定。
ただし、あくまで危機から身を守るだけで自分から攻撃することはできないし、主人公以外を攻撃された場合も守ることはできないという点もあり。
で、一緒に仕事していた同僚が明らかにそのガーディアンの仕業と思われる殺され方をし、主人公が間接的とはいえ知り合いを殺してしまったことに対する戸惑いを描きつつ、なぜその同僚は殺されなければならなかったのか、という筋を解き明かしてくストーリー。

この方の作品は扉は閉ざされたまま、という作品が傑作なのですが、それに比べると劣るかな、と言う印象。
密室における犯人役と探偵役の駆け引きを描かせると非常にうまいのですが、温かな手という作品もそうですが、設定を少し突飛なものを持ってきてしまったことでそちらに気を取られてしまい、心理描写が薄くなっている気が。

このガーディアンよりも扉は閉ざされたままはお勧めです。
このミスでもベスト10以内に入り、帯にはデスノートの月とLの心理戦に匹敵と書かれていたのですが、そのコピーは誇張ではない出来。
とある洋館の一室で殺人が起きるが、様々な条件からその部屋を空けることは出来ない。どうして殺されたか、なぜ殺されなければならなかったのかを解き明かしていくやり取りがのめり込めます。