さよならの代わりに

貫井さんらしくないというか所々ミステリー臭はあるものの青春小説という感じを受ける作品です。
主人公の周りで殺人事件が起きるのですが、それについて色々と話をしてくれるのは容疑者の孫。といっても容疑者が老人なわけではなく、未来からタイムスリップしてきた容疑者の孫が冤罪を晴らすために協力するという展開になっています。
殺人事件のトリック自体は灰色の虹並みに必ずしも説得力があるとは言えませんが、青春小説として読むとよい作品だと思います。
貫井徳郎という作家さんの守備範囲の広さを示す一作です。