オーディンの鴉

ネットを通じて私生活が漏れるという事件を扱った小説で実際に起こりうるかもしれない身近な事象を取り上げたということで随分と評判は良かったのですが、個人的にはうーんと言う感じです。
たぶん求める物に違いがあるのでしょうが、確かにニコ動やtwittermixiなど実際に耳慣れている単語が多数出てきて情報漏洩が起こるかもしれない現実を臨場感たっぷりに描いている部分は面白く読めます。
ただそれらの裏にいる黒幕は、この事件の犯人はとなると急にトーンダウンしてしまっているような気がします。
いわゆるミステリー小説と思って読むと肩すかしを食らい、いつでも起こる可能性のあるネットの現状を描いた小説と思って読むと面白く読めるのではと思います。