無理

生活保護を担当する部署の公務員、市議会議員、万引きGメン、女子高生、違法な訪問販売の営業マン、それぞれ立場の違う5人がそれぞれの日常を過ごしながらもとある接点でつながりクライマックスにつながっていきます。
いわゆる最悪、邪魔の系譜の作品ですが、最悪で奥田さんを知った人間としては大満足で読めました。
生活保護の違法給付や訪問販売の現場、市議会議員の利益誘導の裏側などそれぞれの人物の日常が目に浮かぶくらい克明に描かれており、各パートを読んでいるだけでも十分楽しめます。
終わり方には少し消化不良な部分がなきにしもあらずですが、このシリーズは救いのない後味の悪さを残しながら終わるのが特徴だと思っているので個人的には好きです。
結構分厚い作品ですが、読み出すと世界観にはまりどんどん読み進む作品だと思います。