冨田選手の引退

アテネ五輪でも団体の金に貢献し、翌年の世界選手権の個人総合でも金メダルを獲ったと見た選手が引退を表明されました。
美学貫き、一時代築く=「体操はサーカスじゃない」−冨田引退
そもそも自分が体操を見始めたのはアテネ五輪の前年のアメリカ・アナハイムでの世界選手権。
ここでの今回冨田選手と同時期に引退を表明された鹿島選手の演技に心を射抜かれました。
それまでの体操のイメージといえば跳んで跳ねるというものでしたが、鹿島選手はこのとき鉄棒で離れ技を一回行っただけで金メダルを獲得します。
それを見た時、自分の体操への認識は変わり、跳ばなくても綺麗な演技を行えばメダルは取れるんだ、と驚いたことを覚えています。
その時に鹿島選手はあん馬でも金メダルを獲得しており、私は今でもあん馬を見るのが一番好きです。あの跳び箱の一番上のような台に乗り、くるくる回り続ける種目です。
たぶん、一般的な人気は低いと思いますが(私も昔は面白みが分かりませんでした)、旋回のバランスが少し崩れただけで落下の危険性もありますし、崩れた場合、持ち直せるかどうかなど一つ一つの旋回をじっくり見ていると面白みはたくさんあります。
話それましたが、この美しい演技を極めて頂点を極めた冨田選手。
採点基準が変わり、この前の北京五輪では苦しい戦いを強いられてしまいましたが、一番美しい演技をしていたのは冨田選手だと未だに信じています。
この前行われた全日本選手権には北京五輪に出場した選手の欠場が多く、北京五輪の演技を見慣れた目には物足りなく感じてしまいました。指導者への道を歩まれるかとは思うのですが、道を変えても鹿島選手共々日本の体操に貢献し続けてもらいと思います。
お疲れ様でした。