乱反射

非常に乱暴な言い方をしてしまえば犬の糞の始末をしなかったために幼児の命が失われる事故が起きその間の相関関係を埋めていく話です。
バタフライ・エフェクトではありませんが、この間には多くの関係者がおり、それぞれの日常が淡々と描かれるだけですが、終盤になると一気に結びついてきます。
物語の構成自体がマイナスの章から始まり、幼児の事故が起きてから第1章が始まるという構成にもなっています。
また、事故が起きた事自体は大きな問題ですが、その原因となった出来事に関しては誰が悪いというわけではなく、読んでいるこちらとしても言い方は良くないですが、事故の関係者に共感できなくもなかったり。
緻密な構成にうならされる一作です。