さよなら妖精

ユーゴスラビアから来た少女と主人公、それを取り巻く友人達との思い出話をたどりながら物語は進んでいきます。
ユーゴスラビアは6つの共和国から構成される共同体でしたが、そのどこから日本に来ていたのか分からないまま、少女は帰ってしまいます。それを解き明かすのと日本に来ていた間に巻き起こる日常とちょっとした謎を解き明かすのが柱として話は進んでいきます。
思春期の頃の自分探しをしながらもがいている主人公の心情も伝わってきますし、少女やそれを取り巻く人物も魅力的です。
謎はそれほど中心として構成されているわけではないですが、昨今の作品を生み出す片鱗は見える気はします。