プリズン・トリック

書店で見かけた際、乱歩賞史上最強トリックという帯に惹かれて読んでみたのですが、正直うーんと言う感じです。
交通刑務所内で殺人が起きるが、監視の時間等の関係上、それは密室内で行われた殺人になっており、また殺された人間と殺した人間も本来の人物とは入れ替わっており...という内容で、交通違反を犯した際に入る刑務所として交通刑務所があると言うことは初めて知りましたし、そこの内部での生活も非常に細かく書かれています。
ただ、視点がころころ変わりすぎて誰目線で語られているのか分かりにくくなることが多いです。
また、史上最強トリックという帯から期待しすぎたこともあるのでしょうが、そこまで裏切られるものでなかった気がしますし、ラストもどんでん返しが待っているのですが、逆に新たな謎を生むだけで伏線を回収しているは言い難いです。
実際選考の過程でも受賞作にふさわしいかどうかもめたそうですが、個人的な意見を言うのであれば賞に漏れた作品の方を読んでみたいなと思われました。